ジャズの自由な風に吹かれて。第4回サロンコンサート
20世紀のジャズの巨星マイルス・デービスが60年前に願うように残した言葉があります。
「近い将来、もっと高めたいんだ。この場所から始まった僕らの音楽を」
それからたくさんの時が流れ、多くの演奏家が現れては消え、そして、今や世界の音楽において欠かせないスタンダートとなった音楽、ジャズ。
今回は、いつもクラッシックを中心に催してきたHIROKOサロンコンサートにも、そんな「彼らの音楽」がやってきました。
演奏していただいたのは、ピアノトリオジャズコンサートということでジャズピアニストの岸ミツアキさん、コントラバスの本川悠平さん、ギターの浅利史花さんの三名。
クラッシックとは違う、自由で遊び心のあるアドリブやスイングが、生き物のように踊りだす瞬間。
CD音源とはまた違う生で聞く音楽のうねりが、聞いている私たちの心の中にある原初の鼓動が呼び覚まされるような感覚。そんな貴重な音楽体験に酔いしれることができました。
心に響くという点では同じでも、確かにクラッシック音楽とは違うジャズの力。
暖かさ、優しさ、そしてあふれ出す情熱の塊。
岸ミツアキさんの熟練の技とメンバーが作り出す、ジャズという世界観と音楽という素晴らしい文化が持つ生命力が会場に満ち溢れたひと時でした。
演奏曲も珠玉のスタンダードから映画音楽日本の名曲と、自由なジャズにふさわしいボーダーのない名曲ばかり。
岸さんのトークも会場を大いに沸かせてくれまして、忘れられないひと時となりました。
この演奏会で初めてジャズを聴いた人にとって「この場所で始まった僕らの音楽」にきっとなったであろうジャズという音楽の世界。
それを心の底から確信できた、そんな演奏会でした。
演奏者の皆様、スタッフ関係者の皆様、そして、会場にお越し下さった皆様に心から感謝申し上げます。