2017/8/16 第2回 サロンコンサート Duo Granat タマラ グラナット&楠原祥子 ピアノデュオ

東西の文化の交点にて

歴史と伝統の深い古都京都、この日本の文化の中心地ともいえる場所で、ピアノの詩人ショパンを輩出した西欧音楽の古都ポーランドの旋律を聴けたことを、まず関係者ならびに演奏者のタマラ·グラナットさん楠原祥子さん野原広子先生、そしてお越し下さった皆様に深く感謝いたします。
日本の精神文化において大切な日である盆の送り火のその日、大文字焼きをバックに演奏いただいたタマラ·グラナットさんと楠原祥子さんのピアノデュオは、変化と迫力に富むピアノ演奏を間近に、ファチオリF308ピアノという、大柄な楽器らしい深い響きとのバランスも絶妙に相まって、夜空に浮かぶ大の火文字に負けないスケール感を感じる素晴らしい演奏でした。

これには、会場の皆様はもちろん、つかの間の盆帰りをお済ましになられたご先祖さま達も、思いがけない旋律のプレゼントにさぞかし喜ばれただろうと思います。
プログラムは家庭的な親しみやすいものから室内楽的な喜びを味わえるものまで4手の素晴らしい魅力が伝わってきて、お二人の演奏家が息を合わせて音楽を創り上げるという、アットホームな雰囲気の中にもスリリングな楽しみも感じることができました。後半のポーランドの作品では鋭いリズムや猛烈なアッチェルランドなど、ポーランドの人々の群舞を想起させられて、まさにシルクロードを感じる、東西の文化の交点を目の当たりにする想いでした。
アンコールでの野原広子先生による圧巻の浜辺の歌の歌詞通り、まさに『昔のことぞしのばるる』そんな演奏会になったと心より喜んでおります。
最後に重ねてになりますが、ご参加いただいた演奏者の方々や関係者各位、そして、京都市内のみならず遠方からもお越しいただいた皆さんに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。